額縁活用、迷ったらココ

最初のプラスチックは天然ポリマー由来であった。 1868年、アメリカのハイアット兄弟は、ニトロセルロースに樟脳と少量のアルコールを加えて混ぜると、丈夫で光沢のある成形品ができることを発見した。
これが史上初の天然ポリマーからのプラスチック、セルロイドの誕生である。 合成ポリマーからの史上初は1909年、やはりアメリカでベークランドが石炭を原料として作ったフェノールホルムアルデヒド樹脂。
開発者にちなんで商品名をベークライトと名づけられたこのプラスチックは、外観が松脂に似ており、プラスチック類を合成樹脂と呼ぶのはここに起源する。 ベークライトに続いて、石炭からポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンなどが合成され、39年には合成繊維の雄・ナイロン(ポリアミド)も登場する。

このころから石油化学工業が台頭、40年代後半には原料が石炭から石油に転換され、プラスチックエ業は大発展をとげる。 そして続々と新顔を生み出したが、70年のPBT(ポリブチレンテレフタレート)で大型単一ポリマーのデビューは打止めになり、以後は複合材料や用途の限られた高性能・高機能材料に開発努力の重点が移っている−うん、すごいじゃないか、14行で120年のプラスチック史を語ってしまった。
そういうわけで、プラスチックの原料は今日ほとんどが石油由来の合成ポリマーである。 合成ポリマーは、ガソリンとほとんど同じ成分の石油留分であるナフサを熱分解し、あるいはそれをさらに化学的に処理したモノマーから得られる。
ナフサは国内でも原油から蒸留・精製されるが、輸入のほうが多く、国産は全体の4分の1程度だ。 さて、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩ビなどのプラスチックの名称は、金属でいえば鉄、プラスチックといかに共生する力銅、アルミニウムなどに当たる物質名である。
だから、先ごろプラスチック散乱ゴミ対策として公共広告機構が打った「海ガメの無念」という広告中に、死んだ海ガメの76パーセントはクラゲとまちがえて「ビニールやプラスチック」を食べていたとあるのはおかしい。 ビニールはポリ塩化ビニルというプラスチックなのだから。
もっとも、あえてこの表現を選択したコピーライター(クライアントか)の気配りはわからないでもない。 わが国で最初に普及したプラスチック製日用品が塩ビの風呂敷であり、初期にはビニールがプラスチックの総称のように使われたせいで、柔軟性があるのはビニール、それ以外がプラスチックだと思い込んでいる人がいなくはないからだ。
それほど「時代錯誤」的ではなくとも、非塩ビ製品にビニールを冠して呼ぶことは珍しくない。 いまや風呂敷はポリエチレン、結束用のひもはポリプロピレンかポリエチレンでビニールではない。
最たるものが「ビニール」袋だろう。 ビニールは、湿気を通さず重ねても滑らないという利点を買われて、いまでも衣類や布団の出荷時のパッケージなどごく一部には使われているが、プラスチックの袋はほとんどがポリエチレン、一部ポリプロピレンであり、ポリ袋と呼ぶのが正しいのである。
余談だが、このビニール袋という言葉の誤用に、ポリ袋の業界団体である日本ポリオレフィンエ業組合はいたくご不満だ。 いわく、ポリ袋は、燃やすと有害な塩化水素ガスを出すビニールと金プラ併用時代=プラスチックを抜きに現代文明は成立しない。そのプラスチックが、いまゴミに姿を変えて解決困難な問題をもたらしているは違う。
それなのに、不勉強の代名詞のようなテレビや週刊誌は言うに及ばず、れっきとした大新聞が、しかも当組合に取材にきた記者までが記事にはビニール袋と書く嘆かわしい。新聞で「ビニール」袋が登場するのは、たいてい資源の浪費、散乱ゴミ、シンナー吸引など好ましくない事例にかかわっているのだから、悪名をビニールが引き受けてくれたらポリ袋は得をするんじゃないかという気もするが、そうもいかないんだろう。 れっきとした大新聞も結構不勉強なのよ、と言っても慰めにはならないだろうな。
話がそれてしまったようだ。 言いたかったのは、プラスチックには実にさまざまな物質があるという単純な事実である。
そして、金属でもある程度そうだが、プラスチックは同じ物質でも製法や添加物の種類、分子の結合状態によって性質が異なり、その制御はかなり自在にできるので、特定の物質の特性はこうだと簡単に記述するのはむずかしい。 それでも大まかなところは決まっているので、最初のプラスチックであるセルロイドが、それまでの象牙に代わってビリヤードの球に利用され、ナイロンが絹の代替品として発明されたように、もともとプラスチックには天然物質の代替材料としての性格が強い。

原料が石油になってプラスチックが安価に提供されるようになると、軽い、錆びない、成形が自由、少々軽薄になりがちだが着色も容易、というプラスチックによって、金属、木材、ガラスなどの代替が激しく広範に始まった。 二つだけ例を挙げよう。
木材代替の代表的な例がビール瓶用のクレートである。 クレートとかコンテナと呼ばれる木製の輸送用容器は、かつては木枠の箱だったが、プラスチック(主としてポリエチレン)製が登場すると、待ってクレーと叫ぶ間もなく木製を追放してしまった。
木材は板に挽き、寸法に合わせて切断、釘止めする必要がある。 積み重ねると崩れやすいし、輸送中に釘が緩むこともある。
クレートのように野ざらしにされがちなものは、年数を経ると腐食したり乾燥して割れたりする。 これに対してプラスチックは一体成形ができ、形状も積み重ね用に工夫できるので、強度も輸送時の安定性も増す。
耐候性は永久ではないものの十年ぐらいではびくともしないので、コストが限りなくゼロに近づく。 おまけに運送効率も上がるのだから木製を圧倒するのは当然なのだ。
この話には後日談がある。 当初、プラスチックエ業にとって巨大な市場と目されていたこの分野で、ひととおり普及したあとはパッタリ需要が絶えてしまった。
丈夫なので買い換え需要がほとんど発生しなかったためだ。 そのせいで倒産したメーカーもあったという。

これほど丈夫で、内容物に合わせてどんな形にも成形できるという利点は強力だ。 かくて各種の瓶入り製品用以外にも、機械部品の輸送、農産物の集出荷など、さまざまな生産・流通現場をプラスチックのクレート、コンテナが席巻する。
今日、日本にはボトルクレートが約5億個、クレート、コンテナの合計では約15億個が現存するらしい。 積み重ねればゆうに月に届く。
消費者が直接目にし手に触れるだけに、代替品がまといがちな安っぽさがブレーキになったテーブルウェアとは対照的に、生産・流通過程から冷蔵庫や食品棚に直行する容器類では、ガラスからプラスチックへの転換が着実に進んでいる。 この分野では、食品を変質させず、内容物によって自身が変質することもない材料がそれぞれに選ばれる。
たとえば、PETの醤油ボトル、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材の食用油ボトル、塩ビのソース容器、ポリエチレンのマョネこの動きは80年代初頭、清涼飲料用としてPETボトルが登場したことで加速された。

額縁で悩んでいませんか?もう額縁以外は必要ないでしょう。
額縁の専門家の指南をうけてみましょう。額縁も悪くないんです。
存在感のある額縁です。あなたの夢を実現する額縁が満載です。